どんなに技術力が高くても特別扱いはイケナイ

堂々と特定の社員を特別扱いしていいはずはない。

技術力の高いエンジニアをどこまで特別扱いすればいいのだろう - 今日とは違う明日

これは何もエンジニアに限った話ではない。極めて一般的な査定と待遇の問題だ。そして、会社の方針に合った正当な査定によって待遇に差が出ることを「特別扱い」とはいわない。営業成績の高い営業マンの待遇がいいのは当たり前だ。もちろん、会社の方針として「営業成績いかんにかかわらず待遇は一律とする」なんてケースがあっても構わない。構わないけれど、それは営業マンのモチベーションをあげたり、会社全体としての営業効率を一定以上に保ったりする仕組みがないと辛いと思う。おそらく会社の方針に不服がある場合、優秀で引く手数多な人材ほど流出しやすい。

気を付けるべきは査定に対する不信を買わないことだ。評価基準が不透明だと好待遇が「特別扱い」に見えることは十分にあり得る。さらに評価への不信はモチベーションを下げる。本当は明確な基準があって、それをクリアすることで同程度の待遇を得られるチャンスがあるにもかかわらず、「社長に気に入られてるアイツにはどうせ敵わない」みたいな印象を与えてやる気を失わせてしまうのは、人的リソースの明らかな損失だろう。或いは、スキルアップが待遇改善に繋がらないような歪な経営も同じだ。せっかくの高い技術をうまく報酬に換えられないような会社も結構ある。

初期条件がそもそも「特別扱い」というケースもある。A、B、Cという仕事があって、どれも会社にとって大事な仕事である。ただし、会社への貢献度(売上)はほとんど固定的でA>B>Cの順番を努力によっては変えることはできない。また、必要なスキルレベルや仕事量はA=B=Cである。こういう条件でA、B、C各プロジェクト毎のチーム採算制をとる。当然、評価はA>B>Cとなる。ここまであからさまではないにしろ、近いようなケースは少なくない。Cに欠員が出て雇用された社員が3年後に欠員が出て補充されたA要員に最初から待遇面で上をいかれる。いい気はしないだろう。

まあ、「どこからどう見ても妥当な査定」というのは、たぶんない。だから、必ずしもやっかみとはいい切れない「特別扱い」が人心を蝕むことはあろう。それでも、恣意的なものはいうまでもなく制度的なも含めて、「特別扱い」を極力排除するよう経営陣は鋭意努力すべきだと思う。どうしても排除できない「特別扱い」があるなら、それが「特別扱い」だとバレない努力もときには必要かもしれない。もしも、「できるヤツの待遇ができないヤツの待遇より好いなんて許せない!」なんて主張するような人がいるなら、それはもう天然なので真面目に取り合う必要はないと思う。

つまり「特別扱い」を顕在化して社員の不信を買うのは経営の力不足だともいえる。

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