著名ブロガーの「仕事の法則」がイマイチつまらない

タイトルに惹かれてつい読んでしまった。

仕事の法則
404 Blog Not Found:真・仕事の法則
身も蓋もない仕事の法則 (みんな建前ばかり言うからオレが本当のことを言ってやる) - 分裂勘違い君劇場

一番上の記事が発端で何故かやたらとブックマークされていて、いわゆるアルファブロガーが色々反応している例が下ふたつということになる。まず、先鞭を切った「仕事の法則」については、少しサラリーマンをやれば多かれ少なかれ誰もが感じるであろう「あるあるネタ」で、別に目新しい知見もウィットもないという普通っぷり。文章にも特に味わいはなく、正直、これがブックマークされ倒した理由はよく分からない。まあ、それだけ共感を得たということなんだろう。あるいは、より上目線からの反論欲を煽った結果ということもあるかもしれない。

小飼弾氏がこれに釣られる。エントリのタイトルを見て期待した。が、文頭に「真っ当なやつを書いとく。」とある通り、真っ当かつ巧くいっている人の「参考にならない」法則集になっていて、これまた面白くない。いや、これが参考になる人はあまりに限られている、というべきか。運と時流を読めというのは、なるほど成功者の理論だ。実践した内の極々一握りの人間は確かに運と時流を掴むだろう。小飼氏だってそのひとりに違いない。ただし、圧倒的な勝者の背後には敗者の屍が累々と山をなしている。子羊でいる方が幸せだった人も沢山いるだろう。

この「真っ当さ」を覆してくれるのか、とほのかに期待させるのが三つ目の「分裂勘違い君劇場」のエントリ。が、これはそもそも原型に則っていない点で評価を下げざるを得ない。定型詩が読めると思ったら自由詩だったみたいながっかり感がある。この手のゲームはいかに本歌を取るかが肝である。それでも、一応中身に目を通してみる。なかなか具体的な筋トレ方法が書かれている。本当に「ビジネス」が好きなんだなぁということがひしひしと伝わってくる。こんなことを実践して幸せな人って相当特殊なんじゃないかと思うぼくは少し変なのかもしれない。

結局のところ、これは3つの立場から見たただの「あるあるネタ」である。だとすれば、これは一個の芸たるべきであろう。もう少し項目の立て方に工夫があるとか、文体にリズムがあるとか、リストとして美しいとか、何かしらの芸が感じられないと読んでいて面白くない。文体には内容に説得力を持たせたり、強く印象付けたりする機能がある。もう少し頓着して欲しい。アルファブロガーたちのエントリを読んでいて残念に思うのはここのところだったりする。面白そうなタイトルでネタも極上ならそれでも楽しめるのだけれど、こういう遊び記事はダメである。

面白そうなのに実用にも娯楽にも供さない。自分で考えて楽しめということだろう。


・まず「友情、努力、勝利」を忘れてはいけない。
・人生の評価は自分が決める。
・結果が出たかどうかも自分が決める。
・努力が正しかったかどうかも自分が決める。
・「仕事ができる人」になりたいかどうかも自分が決める。
・自分の適性や才能も自分が決める。
・器用と成功に有意な相関関係があるかどうかは疑問。
・繰り返すが、努力が正しかったかどうかは自分が決める。
・仕事の成否は決められないが正しいかどうかは自分が決める。
・つまり、自分は何をやっていても自分。
・努力の意味だってもちろん自分が決める。
・ウサギでもカメでもない生き方を自分が決める。
・だから、ウサギやカメになる必要はない。
・周囲が見えなくなるほど夢中になれるのは才能かもしれない。
・何が一流かは自分が決める。
・当然、ビジネス書の価値も自分が決める。
・だから、万人に価値のある書物などない。
・石の上にいる3年をどう使うかは自分が決める。
・本当に自分を見ていて欲しい相手こそ自分で決めればいい。

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