少女の何を守り、何を尊重するべきか

最初に断っておくけれど、泥の投げ合いをしようというのではない。

koisuru_otouto 元記事よりむかついた。中段は顔の美醜;被害者の好みだったかどうかの問題に転嫁して二重に攻撃してるだけじゃんこれ。元記事の人の言葉は侮辱であり吐き捨てであり だからこそ撲たれ諭されたんでしょうに


上記のコメントをつけられた前エントリーで、ぼくは件の少女に対して、たとえば「でも、イケメンなら喜んだんだろ」とかいうような決め付けをしたつもりはない。再度、自分の文章を読み返してみたけれど、「憧れのお兄さん」も「憧れのイケメン営業マン」も例示以上の意味を持ってはいないと思う。そのあたりはある程度気をつけて書いたつもりでもある。ぼくは彼女に対して直接的にも間接的にも一切の批評をしていないし、内面を推量したりもしていない。唯一した類推といえば「同じ言葉であっても相手によって受ける印象や抱く感情は違うだろう」ということだけだ。

人は相手や状況によって態度も感情も変わる。これはぼくにとっては至極普遍的で自明の「事実」だ。「相手が○○だったら結果は違ったかもしれない」というとき、○○に入る条件は無数にある。ただ、一般的に通じやすそうな例として「イケメン」を挙げたことが「攻撃」的に映ったなら、それはぼくの落ち度だったかもしれない。それでも、たとえ件の少女が本当に「イケメンにならいわれてみたい!」と思っていたとしても、ぼくはそれが侮辱に値するようなことだとは思わない。そういう人間かどうかも含めて、相手を知るためのコミュニケーションが大事だと書いただけだ。

つまり、あのエントリーでは、少女が誰のどんな言葉に憤り、誰のどんな言葉に悦ぶかは彼女の主体性の問題であり、それを推し量り尊重できないような人間だからコミュニケーションに失敗したんだろうと推測したにすぎない。だから、「元記事の人の言葉は侮辱」だというのは、ぼくもその通りだと思う。ただ、あの文脈においては「侮辱」なだけで、一言一句まったく同じ言葉が、少女にとって「褒め言葉」足り得る文脈もまたあり得るだろうと思っているだけのことだ。そして、それを望むか望まないかはすべて少女の自由であり、どちらにしても責められるいわれなどない。

「このメス豚!」なんてステレオタイプな罵言でさえ、相手が悦ぶだろうという比較的確実な類推が事前の十分なコミュニケーションの上に可能なら、それは「侮辱」にはあたらない。逆に、不十分なコミュニケーションと自分の感情の奔流に任せて吐いた言葉なら、それは紛うことなき「侮辱」であり破廉恥なる「暴言」である。例のブログ主は後者だったからダメなんじゃないか、というのがぼくの主張の骨子であって、すべては少女の主体性を重んじたうえで判断しろ、という話でもある。少女の嗜好に問題を「転嫁」したと思われたのは、たぶんぼくの表現力の問題だろう。

繰り返すけれど、ぼくは「ただしイケメンに限る」という価値観さえ侮辱に値するとは思わない。

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comment - コメント

りりこ氏に同意する。
外部の意見として、一応自分の所感を書いておきます。

>二重に攻撃
これに対してどこが?文盲乙と言いたい。

「あいてを知るというプロセス部分をすっとばしていても」…
×「イケメンなら喜んだんだろ」
○「イケメンなら喜んだかもしれない」

端的に言うとこうでしょ
まぁそれだけではもちろんないけど、イケメンに限らず「相手を知ってないブログ主がそれをいうのは問題であった」というだけ。
自分の立場、相手との関係性を考えられないなら、イケメンでも過剰な行為に対してセクハラ扱いされるのは当然だと思うが……。

> Anonymousさん
まさに、「自分の立場、相手との関係性を考えられないなら、イケメンでも過剰な行為に対してセクハラ扱いされるのは当然だ」とぼくも思います。その辺りの「(ぼくの中の)当たり前」が、前エントリーを通じて読み手に伝わらず、むしろ少女を攻撃しているように読む人がいたことが気になって、ついこんな蛇足のようなエントリーをあげてしまいました。

色眼鏡をかけてる人に曲解されないような文章って
書けるのだろうか?
っていつも思いますw

> Anonymousさん
どんな言葉も受け止められた瞬間に受け止めた側のものになるわけで、それを発した側が完全にコントロールすることなんてできませんよね。せいぜい誤解の可能性を極力抑える努力をするくらいで。まあ、普段はこういうデリケートな話題でもなければ、誤解も誤読もさして気にせず書いてたりするんですけど。

>一言一句まったく同じ言葉が、少女にとって「褒め言葉」足り得る文脈もまたあり得るだろうと
>「このメス豚!」なんてステレオタイプな罵言でさえ、相手が悦ぶだろうという比較的確実な類推が事前の十分なコミュニケーションの上に可能なら、それは「侮辱」にはあたらない。

・・・AVの見すぎです。(;一_一)

> faye2071さん
残念ながらさほどAVへの造詣は深くありませんが、確かにSM系の傍流に侮辱を主とした性的交歓を扱ったものは存在するようですね。いずれ「AVの見すぎです」を感受性の多様性を否定する文脈で使うのは、ちょっとアレかなとは思いますが。少なくともぼくは「このメス豚!」なんて罵倒をされたいという人がいても構わないと思ってるので。

・・・ちょっと言葉が足りなかったかも知れません、あやまります。結局、問題は「相手が悦ぶ」のではなく、まさにコミュニケーション不全と言うか、「自分だけが楽しくなるため」に、こういうSM系の性的交姦をする人間が、非オタに山のようにいるという事実ですね。そして、大概の少女は、それを「交歓」と捉えるほど洗練されていない(むしろ恐怖とか嫌悪感を覚える)のが、いわゆる「出会い系」に代表される現実であったりすると思うんです。・・・30過ぎた人妻とかなると話は別かも知れないけど、って、何か一般論で纏めてすいません。

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