知人を紹介するのに学歴を持ち出すのが失礼な理由

実際、「こいつ○○大卒なんだよ!」という紹介をする人は割りにいる。

東大生の扱い方
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別に東大生もそれを取り巻く連中も特別扱いが難しいとは思わない。難しいというなら酷く頑固な人や怒りっぽい人や傷付きやすい人や今にも自殺しそうな人だって難しいし、そもそも人の扱いというのは総なべて簡単なものではない。高学歴や学歴コンプレックスだけが際立って難しいわけではない。ぼくは神戸大学という関西にいればそれなりに知られた国立大の学部卒で、はっきりいってかなり半端な学歴の持ち主である。別にこの学歴を恥じる気持ちはないけれど、かといって誇る気持ちもない。だから、他人に「彼は神戸大卒なんですよ」とか紹介されても困る。たぶん、相手も困る。

以前いた会社で社長と客先廻りをしているとき、その社長がぼくを客に紹介するのに毎度「神戸大卒」を持ち出すのには辟易させられた。ぼくがどんな仕事をしていて、ぼくと知己を得ることで客にどんなメリットがあるのか、また会社としてぼくに何を期待しているかなど、紹介すべきことは他にいくらでもあったはずだ。それを「神戸大卒」を大文字で紹介する。そんな履歴書に書かれているような情報でしか紹介できないということは、それ以上の価値を語れないといっているようなものである。まあ、本当に価値がなかったせいかもしれないけれど、それなら端から紹介なんて要らない。

もちろん、属性紹介が全部ダメとはいわない。紹介相手がたまたま同窓であるとか、学生時代の研究内容や興味の範囲が重なっていることが事前に分かっているとか、そういうケースなら学歴を紹介する意味はある。同様に、紹介相手が同業であれば職歴を、合コンであれば血液型や星座を、お見合いなら年収を紹介するというのは構わない。これらはちゃんとTPOに合っている。TPOに合った紹介をするには、まずその人のことをよく知らねばならない。中には根っからのコミュ強者でこういうことが自然とできる人もいるけれど、普通はある程度興味を持って接した相手でなければ難しいだろう。

つまり、友人の特徴を学歴やら職歴やらの経歴でしか語れないというのは、その程度しか知らないし興味もないことの証左でもある。それなりの興味と付き合いがあれば、学歴や職歴なんて属性でその人を評する気にはなれないはずだ。東大だから云々なんて人物評は「こいつは京都出身だからイケズだ」とか、「ひとりっ子だからわがままだ」とか、「AB型だから二重人格だ」とかいうのと同じくらいバカバカしい。個人的には、いくら付き合いが長くてもそんな属性でしかぼくのことを語れない人を友人とは呼びたくない。ただの知人だ。知人なら知人らしく名前だけ紹介してくれればいい。

そもそも人の学歴くらいでしか話の接ぎ穂を作れないというのもツマラナイ話である。

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