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デブを笑う理由を述べるという墓穴
これは、とてもありふれた話だと思う。
・その言葉はまるで自分に向けられているように聞こえるから - うどんこ天気
肥満が肥満ゆえに責められる合理的な理由はあまりない。せいぜい狭い空間で邪魔になるくらいのことだろう。副次的なところでも、車に同乗されると燃費が悪くなるとか、一緒に生活すると食費が嵩むとかいうくらいで、痩身の人間に比べて致命的とまではいえない。格差だなんだといったところで飽食の国ニッポンである。暮らしぶりによっては普通に太る。気を付けるべきはデブを馬鹿にする理由だ。太っている姿を不恰好だと思う感覚が多くの人にある。デブに美を見る人は少数派。そういう風俗をぼくたちは生きている。これ自体はさほど深刻な問題ではない。
肥えた人を見て不恰好だと笑うのは、単純に社会性が乏しい証拠だ。子供なんかがデブを笑うのはこの類だから、人をデブかそうでないかで判断することの無見識をきちんと学べば自然に止める。悪質だと思うのは、自分を正当化するためのいい訳にデブの人格を貶める行為である。デブを笑うとき、その人はたぶん滑稽だと思って笑うのである。にも関わらず、笑ってしまった自分を正当化するために、「デブは笑われても仕方がない理由」を口にする。曰く、デブはだらしないから太るんだ、自業自得だ…云々。だから、自分は不当に差別しているわけではない、と。
肥満の理由が単一でないことは自明だ。本当にだらしなくて太る人もいるだろうし、真面目な人がストレスやなんかで太る場合もあるだろう。だらしない人をだらしないといって非難するのは、その是非はおくとして筋が通っている。それはデブ一般をだらしがないと決め付けて笑うこととは違う。同じように、心が弱いと思える人にもっと強くなれというのは、正しくはないかもしれないけれど欺瞞はない。翻って、デブを笑ったその口で「甘えてるんじゃない?」「弱いんじゃない?」なんてデブを非難するのは、自分は弱者を笑う人間だと暴露しているに等しい。
こんな具合に、いい訳というのは自分を正当化するどころか貶める結果になる。ありがちな話だ。デブを笑った自分は不当な差別主義者ではない。それを証明したついでに、弱い人間を笑いものにする人非人であることまで証明してしまう。ごめん深く考えずに笑ってた、と認める方がよほど傷は浅い。つまり、ふたりのやりとりそのものは、口論によくある売り言葉に買い言葉が泥沼化した結果であって、本質的にはすでに肥満問題を離れているともいえる。不幸だと思うのは、傷付く人はそんな表面的でみっともないいい訳にすら傷付いてしまうという事実である。
これは何もデブを笑う人に限った話ではない。
posted in 08.06.26 Thu
comment - コメント
はじめまして。
>肥満の理由が単一でないことは自明だ。。本当にだらしなくて太る人もいるだろうし、真面目な人がストレスやなんかで太る場合もあるだろう。
確かにその通りだと思います。
で、引用元のエントリ(とコメント)を見てる限りでは、TVを見て、無分別に自分と同じ→自分を理解してくれないなんて
と絶望してる様に違和感を感じるのですが…
posted in 08.06.30, by Lettusonly
> Lettusonlyさん
ここでは非難する側の問題のみ取り上げることに終始しましたが、仰る通り、共感する側の問題というのもありますね。つまり、肥満を非難する側も肥満に共感する側も、自分の都合で問題の根を決め付けている点で、同じ愚を犯しているともいえそうです。他人の内を類推することは思いやりなどプラスに働くこともあれば、この件のように行きすぎてマイナスに働くこともある。何とも難しいところですね。
posted in 08.06.30, by lylyco
lylycoさん
レス、ありがとうございます。
>つまり、肥満を非難する側も肥満に共感する側も、自分の都合で問題の根を決め付けている点で、同じ愚を犯しているともいえそうです。
その通りだと思います。
どちらにも共通してるのが、それが自分の趣向の一つだという観点が欠けている事でしょうか
まぁ、大元のエントリの問題は、(見せ物的要素が強い)バラエティ番組に出てきた人の話を、まんま受け止めてしまってると言うのも大きな問題だと考えています。
今回またコメントしましたが、その辺キチンと考える契機になってくれるといいのですが…
posted in 08.07.01, by Lettusonly
> Lettusonlyさん
個人的な嗜好の問題だと頭で理解すれば、どんなものを見聞きしても心動かさずに済むかといえば、たぶん当事者としてはそうはいかないのでしょう。感情というのは、なかなか理屈に屈しない厄介なものだと思います。
posted in 08.07.01, by lylyco
デブ差別問題を考える前に
犯罪防止のプロセスを考えてみよう
まず、巨大な凶悪犯罪を防ぐために
小さな万引きなどの犯罪を徹底的に取り締まりを行って
結果 巨大な凶悪犯罪を抑制したということがある
このプロセスを踏まえて考えるに
このデブ差別というのは、結論から言うと
独裁階級社会への第一歩ともいえるのではないだろうか?
つまり、デブ差別が横行する
そうなると、差別に関して 無知蒙昧且つ感覚麻痺 思考停止を生む
さらに、差別が拡大 その中で人間そのものに階級が生まれる
それで生まれた階級間に階級闘争が生まれる
そして、デブ差別等々を下地とした階級闘争に勝ち残った者たちが
支配階級を形成 そうなるとデブなどの状態の者たちは、階級の最下層に置かれ支配階級から搾取される
つまり、今の支那や北朝鮮のような国に 日本もなってしまうということ。
くれぐれも、安易なデブ差別は やめたほうがいい
そこまで差別をしたいなら、支那や北朝鮮のような国に行けばいい
少なくとも 大多数の日本人は、日本が今の支那や北朝鮮のような国に
なるのは、望まないだろうから・・・・
posted in 09.08.15, by 蒼の騎士