向こうからやってくる嘲笑は避けられないが…

人を陥れ、嘲笑し、傷付けることが愉しいという人間は、たぶん、いるんだろう。

クリスマスイブ

こういうことが平気でできる、或いは、わざわざ進んでやる人がいる。もちろん、匿名ダイアリーのそれが事実なのかネタなのかは分からない。が、そういうメンタリティの存在を否定する材料はない。もちろん、人を貶めて喜ぶような人間はそうしないと自己肯定もできないショボいやつなんだとかいったいい方は可能だろう。けれども、たとえ真実がそうであったとしても、件の匿名氏のような被害者が救われるわけではない。すでに固くなりつつあった殻は、いっそう固くなるだろう。将来、本当の善意や好意に出会ったとき、もうそれを信じることはできないかもしれない。

虐げられ、卑屈になり、それで余計に蔑まれ、ますます人間不信になっていく。典型的な負のスパイラルである。そうやって、不幸になっていく人は、ややもすると「自ら不幸に突き進んでいる」ように見える。そのため、過剰な自己防衛だと説教されたり自己責任だと切り捨てられたりする。理不尽な悪意が負のスパイラルを生み出し、正義の代弁者たちがそれに拍車をかけるのである。こうした悪意や正義を排除することはできない。そして、意識的に避けることも難しい。まだこの手の不幸に見舞われていないのだとしたら、それは別に自分が正しいからではない。ただの運だ。

だから、「馬鹿にされるような自分をどうにかしよう」と考えてはいけない。正義の人は喜ぶかもしれないけれど、たぶん、幸せにはなれない。何故ならそれは、他人の価値観に合わせて自分を変えることだからだ。どうせ自分を変えるなら、自分の価値観で変える方がいい。そもそも「価値観の違い」からくる嘲笑は、いくらでも創り出すことができる。理由はブスやキモメンでもいいし、低学歴でもいい。或いは、貧乏でも、非コミュでも、同性愛でも、ハロヲタでもいいのである。エリートや大金持ちだって嘲笑の理由になり得る。ただの運だ、というのはそういう意味である。

つまり、匿名氏は別に「ブス」だったから不幸に見舞われたわけではない。このケースでは、たまたまそのルックスが嘲笑に利用されただけのことである。可愛かったらこんな目に遭わなかったはずだとか考えるのは間違っている。あらゆる価値観に完璧に応えられる人間なんていない。であれば、価値観を異にする人たちの嘲笑を完璧に避けられる人もいない。ただ、比較的マジョリティがマイノリティを虐げる傾向にはあるかもしれない。正義の人のいう努力はマジョリティの価値に合わせた努力を意味する。けれども、当然、マイノリティは人として劣っているわけではない。

結局のところ、理不尽な嘲笑というのは、ある種の価値観の押し付けを前提とした衝突事故のようなものだ。相手は大抵「マジョリティ」であることで力を得ているにすぎない。歩道を歩いていていきなり轢かれることもあるだろう。嘲笑され傷付きそうなときは、まず自分がその価値観を本当に共有しているのかどうかを疑ってみるべきだ。落ちこぼれたからといって「学歴に価値なんてない!」と開き直るのはみっともないけれど、最初から重きを置いてなかったなら「低学歴!」とかいわれて傷付く理由はない。逆に、抜き難く価値観を共有していると、これはなかなかに辛い。

いずれ、事故の恐怖を消すことは難しい。迎えにきた車さえ、いつ暴走するかと不安になる。そんな恐怖で歩けなくなった人を街に連れ出す。そのために必要なものは何だろう。少なくとも「危ない道を歩いてた自分が悪い」とか「要は街に出る勇気がないんでしょ」なんて言葉であろうはずがない。陳腐ないい方だけれど、「街に出たい」と願う本人の気持ち以外にないんだと、ぼくは思う。それにはたぶん、街の楽しさを伝える人や一緒に楽しめる人が必要なんだろう。そして、人を誘い出しておいていきなり跳ね飛ばすようなやつばかりじゃないと、いつか思えればいいと思う。

もちろん、まったく別の価値あるものを見付けるのだって構わないのだけれど。

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無理がある。
この増田に限らず、たいていのブス、醜男は自分の醜さを意識している。
彼らもマジョリティの価値を共有している。

> Anonymousさん
そうなんですよね…たいていは、価値観を共有しているからキツい。でもって、それも含めて解決することは難しいなあ、という感想をだらだらと綴っただけで、ご覧の通り、この文章には主張というほどの主張も提言と呼べるほどの提言もありません。だから、匿名氏がこの文章を読んだところで救われはしないでしょう。

I'm a Senior Lecturer inside the Cultural Studies department at Central Saint Martins where I'm also operating on the project for that industry.

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