非モテ男へ贈る奇跡のアドバイス(※イケメンに限らない)

非モテをネタにネットみのもんたごっこするのは確かに品がない。

的外れなアドバイスは要らないし、「イケメンに限る」って言って切り捨てられてもしょうがない - Diary of Dary

いや、正直にいえばそれでも面白ければいいじゃん、非モテの問題なんて解決しなくてもさ、とは思う。何しろ、本当に非モテ問題を解決したくてアドバイスしている人なんて、たぶん、そうはいない。非モテのウジウジした言動にイラっとしたり、非モテのルサンチマン満載の呪詛に辟易したり、非モテを脱した自分語りがしたかったり、オサレでモテな自分をアピールしたかったり、単に注目されたいだけの釣りだったり、まあ、とにかく自分のために書いているというのが本当のところで、煎じつめればたいていの文章は自分がすっきり気持好くなるために書くものだと思う。

それはそれでいいのだけれど、じゃあ、本当に有効で非モテを動かし得るアドバイスとはどんなものか。リンク先のまとめを参考に考えてみる。まず、「対象者の問題」を解決するには対象者像をある程度明らかにする必要がある。ただし、対象者の非モテを手軽に分類してみたところでさしたる意味はない。このやり方ではキリがないからだ。最終的には「非モテはひとりひとり違う」という結論になってしまう。そこで、極力対象者の取りこぼしを少なくするために最底辺を想定する。そして、多くの非モテに共通するであろう根本的な問題を白日の下に曝け出してやればいい。

さっそく、非モテの最底辺の姿を妄想してみる。最底辺非モテの一番の問題点は非コミュをはじめとする合併症による負のスパイラルに陥っていることだろう。「誰もが認めるブサメンである」「他人とは自分を迫害する存在である」「現実の異性と接するなど想像もできい」「むしろ女は敵だ」「異性どころか対面コミュニケーション全般が決定的に不得手である」「まともな職に就けるはずもない」「そんな世界で尊厳を守るためには世界を否定するしかない」「世界と自分を繋ぐ糸は非対面コミュニケーションを可能にするインターネットくらいだ」…といったあたりだろうか。

最大公約数的にまとめると次のようになる。ブサメン(或いはそれに比肩する非モテ要素)⇒迫害・孤立(当然モテない)⇒非コミュ併発⇒オタク併発⇒貧困併発⇒(卑屈な心・姿勢・表情・喋り方・服装などの問題で)ますますブサメンに拍車⇒ますます迫害・孤立(ますますモテない)⇒ますます非コミュ⇒ますます…以下無限ループ。うん、これは酷い。正攻法は一番切りやすい場所でループを断ち切ることだろう。それにしても敵は強大だ。非モテ属性との関連性の薄さでいえば、まず貧困を脱するというのは有効に思える。ホリエモン式である。…が、ハードルが高すぎる。

これはもう、奇跡を待つよりない気がしてきた。突然、自分に惚れてくれる運命の人が現れるとか、ひと山当てて大金持ちになるとか、いきなりリア充の親友ができてどんどん自分を改革してくれるとか…。そうすればループが切れる可能性も出てくる。思えば、そもそも非モテが自分ひとりでなんとかできると考える方がどうかしている。できるものなら非モテになったりしない。いえることはひとつ。奇跡を待て。ただ、こじらせた非モテをどうにかする程度の奇跡は起こり得る。キリストが3日で蘇るレベルの奇跡ではない。宝くじで3,000円当たる程度の奇跡だと思えばいい。

ただ、宝くじは1枚だけでも買わなきゃ当たらない。それは奇跡への投資である。非モテにできる投資は何か。得意のインターネットしかないだろう。たとえば人を惹きつけるブログを書く努力をする。過度に自分を偽る必要はないけれど、ネットでまで「人を寄せ付けない」自分でいる必要はなかろう。そもそも、現実世界を否定する自分なんてキャラは、後天的に育まれた不本意な自己にすぎないはずである。そして「出会い系乙」とか「キャハハウフフ」とかいう皮肉を捨てる。ネットで人と出会う機会をルサンチマンいっぱいの上から目線で否定するのは重大な機会損失だ。

そうやって得意のネットでコミュニケーションを試みながら、友だちができるのを待つ。アルファブロガーになる必要はない。ちょっと気になるブロガーくらいを目指せばいい。そこをホームにして恐る恐る他者にコミットしていく。他者に興味を持って近づく。もちろん、ネットで友だちができるなんて奇跡だ。けれども、引き籠りのネットジャンキーにできるもっとも現実的な奇跡への投資はこれだろう。ネットの人間関係を否定するな。冷笑するな。最初からオフを前提にする必要はない。自分で変えられない自分を変えるのは他人しかない。自分の中に他人の居場所を作れ。

結論。ネットで蓋然性の高い奇跡を待て。…奇跡のアドバイスってそういう意味かよ、と。

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