処女が新品だなんて可笑しすぎて腹筋十六分割

そもそも、処女を好む童貞に処女と非処女を見分けることなどできない。

もやもやを君に

見分けられないのは何も童貞に限った話じゃない。血が出るとか痛がるはずとかその他モロモロのステレオタイプな思い込みをしている程度のものだから、血が出なくてもスムースにやれちゃっても気にせず堂々と処女だと自己申告すれば男に反論のしようなんてない。血にしろ摩擦係数にしろ初めてでも個人差あるらしいよ、で済む話である。何か確たる証拠か証言でも出ない限り、処女を明確に見分ける術なんてない。つまり、処女なんてものは想像と自己申告の世界にのみ存在する幻のようなものでしかないのである。人間は性器にシュリンクされて生まれてくるわけではない。

その上で、非処女を中古だとかいってしまう発想の単純さには眩暈を覚えざるを得ない。意外なことかもしれないけれど、何かのマンガの登場人物と違って実際の人間にはキャラクターを設定している原作者などいない。大抵の設定は自己申告制である。そして、多くの人にとって生殖器の摩擦が及ぼすキャラクターへの影響なんて高が知れている。もちろん、セックスに嵌って決定的に人格が変わるような人も中にはいるかもしれない。が、そんなのは極めて少数派だ。冒頭で書いたように男が確実に処女を見分けられない理由もここにある。見分けられない差異などないに等しい。

新品だ中古だと喚いている張本人に新品と中古の区別がつかないというのは、ずいぶんと下手なコメディである。その程度の見識で、処女はただ生殖器だけの問題ではない、心の問題だなどと尤もらしいことをいう。人の心を動かすのはセックスではない。恋人の過去の心の動き、揺れ、激情…そうしたものを知るのが辛いという気持ちと、処女幻想にしがみつく心性はまったくの別物だ。まっさらな心が欲しいという意味で処女がいいなんていってるなら、もう生身の人間を相手にするのは諦めた方がいい。人の心がまっさらなのはせいぜい生まれ落ちた瞬間くらいのものだからだ。

他人の心に興味なんてないくせにそんな難しいものに言及するからポカをやる。心が受ける影響だけを問題にするならなおさら、人は付き合った異性や性交渉のみならず、親や友人や同僚やその他大勢の影響や経験によって「決定的に変容し続けて」生きている。その中から処女喪失の影響だけを過不足なく取り出せるというなら出してみせて欲しい。その上で、それを「中古」である証拠だというなら、ぼくもそれを認めるに吝かではない。逆にいえば、相手が処女だったところで、まっさらのカンバスに自分の色を塗ってやったなどと思うのはトンだ思い上がりの勘違いである。

結局のところ、匿名氏が求めるような処女は匿名氏の脳の中にしか存在し得ない。


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