服を買いに行くための服を買いに行く準備はいいか?

そもそも、脱オタファッションを実践する必要はあるのか。

実際問題として、衣服に金をかけるということは、どこからか資金を捻り出さねばならないということだ。オタを自認する以上、可処分所得の大半はオタ趣味に費やされているはずである。ならば、まずは3ヶ月分のオタ出費を算出することから始めよう。月平均2万のオタ出費なら3ヶ月で6万。そこで、6万の内訳を反芻する。そのすべてにオタクの情熱は傾けられているか?未開封のまま死んでいるゲームはないか?その長編コミックは買い続けるほど面白いか?惰性買いや衝動買いで無駄にした金はないか?ないというなら脱オタファッションの必要はない。趣味に邁進すべきだ。

情熱なき出費がある。むしろ、オタ趣味行為の大半が惰性と化している。本当に好きなものだけに絞れば出費は半分になる。そう思った瞬間から、脱オタファッションへの道は拓かれる。本当に好きな趣味を捨てる必要はない。3ヶ月で3万。それで新しい世界は贖える。脱オタファッションは、新しい自分を発見するためにある。自分を変えるということは、具体的には、行動パターンを変えるということだ。行く場所が変われば、目にする景色も出会う人も変わる。脱オタファッションとはオタ以外の世界を発見することだ。外界を切り捨てるのは、味わってみてからでも遅くない。

3万を握りしめて行くべきは、郊外のショッピングモールだ。何より精神的障壁が薄い。いきなりゴリゴリのオシャレ地区にダイブするのは危険だろう。歴戦のオシャレ住民に囲まれて敵前逃亡を果たす可能性が高い。或いは、意を決して足を踏み入れた路面店で、想像を絶する値札の桁数に絶望するなんてこともあろう。いきなりそんなトラウマを抱え込む必要はない。ファミリー層で賑わう休日のショピングモールくらいから始めればいい。もちろん、セール期を狙うべきだ。少しでも安いに越したことはない。それに、程よく混んでいれば店員に張り付かれる可能性だって低い。

見て回る店は「GLOBAL WORK」「Ikka」「COMME CA ISM」「UNIQLO」辺りでいい。価格帯も似たようなものだ。ただ、個人的に「UNIQLO」は案外素人に優しくないと思う。使いづらいカラーバリエーションが豊富すぎる。適当に買ってそれなりに見えるという種類の店じゃない。よって、あまりお勧めはしない。それから、試着できるものはとにかく試着する。試着して鏡を見る。すれ違う女子高生を採点するくらいの冷徹な視線で自らの姿を批評する。自分のことだと思うから「良いのかどうか分からない」なんてことになる。目の前の男を冷めた目で見る。目を逸らしてはいけない。

たった3万でも、セール期のショッピングモールなら上から下まで揃えることは難しくない。パンツ類もジーパンなら最悪1枚でいい。Tシャツやらポロシャツ類を予算ギリギリまで買って、上だけ着回せば毎日同じ服だと謗られることはない。最初は多少ヘビーローテーションになっても仕方がないだろう。ただ、どうしても生地がヨレやすくなるから、大事に着て少しでも寿命を延ばす努力をすべきだ。ヨレた服は酷くみっともない。そして、3ヶ月後には次の季節がやってくる。最初に3ヶ月の予算を計算したのはそのためだ。こうして季節毎に買い足し、ヨレた服は捨てていく。

正直、冬はキツい。モノが高い。シャツ類は極力秋物を着回しつつ、コート類をメインに攻めるべきだろう。中に着るもので安くて役に立つのはやっぱり「UNIQLO」だろうか。春なんかはあってないような季節だ。気持ち、長袖のTシャツなんかを買い足すくらいでいいかもしれない。そして、残った予算は繰り越しておく。…こんな風に予算繰りをし、季節毎に服を買うようになれば、もうそこにいるのは以前の自分ではない。服を買いに行くための服は揃っている。そして、服を買いに行くための心の準備もできている。今の自分も悪くない。そのとき、そう思えたならいいと思う。

そう、ファッションなんて別に大層なものじゃない。オタ趣味だって、それは同じだ。


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脱オタファッション実践編
y_arimです。

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なんだかんだでおされGIRLの地位を確立している山形県です。「お洒落だね★」と指差されているのは五年前とかに買った物ですが(・⊆・`)チノパンとかネルシャツが何者なのか本気でわかりません。ミュールとパンプスもいまいちよくわかってません。洋服一着に五千円以上かけるとかありえないです、はい。

別に大して他人の格好なんて見てないですから好きなもの着ればいいと思いますけど、モテないのを何の努力もしないで顔が悪いからとかオタに着こなせない服を普通に売るからだとか、滅茶苦茶な事言ってる人は見ていて不愉快になります。

本物の洒落さんはTシャツとジーパンとスニーカーでも十分お洒落なんですけどね(´∀`)。髪ぼっさーな人は何着ててもダサいですからね。
本当にどうでもいいですけど、最近ミリタリーなファッションに憧れています。

> (おされGIRLの)山形県さん
5年前の服をおしゃれに着回せるのはかなりのハイレベル!はっきりいって、ファッション用語なんてぼくも全然知りませんね。おしゃれサラリーマンの地位も確立してませんし。正直、ファッションに関しては圧倒的に女性が優位だと思います。価格帯的にも選択の幅がありますし。比べてメンズはそもそも店自体がレディスの半数もない。安くてダサい、安くてそこそこ、高くてそこそこ、高くてオシャレ…くらいしか選択肢がない。よって男のオシャレさんは可処分所得の内、オシャレ出費率が異常に高い。上手に買物するのがえらく難しいというハンデを世の男どもは抱えているわけですよ。まあ、モテないことと直接的な関係があるかどうかは別として。髪ぼっさーに関しては、以前、脱オタするならまず美容院に行けという趣旨のエントリーを書いたことがあります。まあ、どうでもいいことですが。

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