ブックマークコメントとブログコメント欄の本質的な違い

はてなブックマークは難しい。こういうやりとを見ていても思う。

はてなブックマークにコメントするくらいならブログにコメントしろ!! - ネット小説家の小さな書斎
404 Blog Not Found:君の記事のぶくマは、君のものじゃない

たとえば、ぼくがここではてなの人気エントリーのひとつに言及しトラックバックを送ったとする。その人気エントリーを読んだ人が、運良くトラックバック一覧の中からぼくのエントリーを見つけて読んでくれる。で、思うところあってブックマークしてくれて、さらにはそこに何かコメントを付けてくれたとする。このブログにではなくブックマークに、だ。ぼくがはてなやアクセスログに無頓着だった場合、このブックマークに気付くことはたぶんない。まあ、ブックマークとしてはそれで普通だろうと思う。ただ、はてなのそれはちょっと違っている。

たとえばdel.icio.usのようなソーシャルブックマークでは、当該ページについてブックマークコメントで感想を述べ合うような現象はあまり見られない。ところが、はてなでは一見ブログのコメント欄かというくらい感想が書き連ねられていたりする。中には、うまいこといった!というような秀逸なコメントまである。これははてなスターという評価システムのせいもあるかもしれない。はてなユーザー同士のゆるいコミュニケーションの場となっている。つまり、当該記事は書き手の存在を離れ、はてなユーザー同士の共有資産として消費されることになる。

もちろん、はてなというコミュニティに意識的な書き手なら自分の記事がブックマークされることにも意識的だろうし、コミュニケーションから除外されているという意識はないかもしれない。けれども、はてな以外の場所でブログを書き、ブックマークされていても気付かない環境にあると、知らない場所で知らない間に話題になり、場合によっては議論が巻き起こったり誹謗中傷に塗れていたりすることもあり得る。それらの反応は基本的に書き手にはフィードバックされない。ブログのコメント欄に延焼でもしない限り、書き手不在のまま消費され忘れ去られる。

こうした状況は、ブログをメディアと自覚している人たちには、むしろ当たり前だし歓迎すべき機能だろうと思う。メディアに放流した情報は書き手を離れて消費されるのものだ。ところが、ブログを自分対他者のコミュニケーションの場と考えるタイプのブロガーには、この状況はどうにも馴染まない。そして、そういうブロガーはたぶん少なくない。キャッチボールをするつもりでボールを投げたら一向に返ってこない。まあ、そんなもんだよね、と思っていたら、知らない人たちが自分の投げたボールで勝手に野球をして遊んでいた。…みたいな寂しさを覚える。

つまり、ブックマークコメントは他対他、ブログコメント欄は私対他の世界なのである。

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