全国一斉!日本語テスト

全国一斉!日本語テスト“全国一斉!日本語テスト”というのをやってみた。

迷った問題がいくつかあって、えいやっと適当に選んだところが、ことごとく間違っていた。まあ、山勘で当てても言葉をよく知っていることにはならないのだから、これが実力ということである。得点はといえば、第一回が72点、第二回が79点だった。

なんともコメントし辛い点数である。

全然ダメとお馬鹿をネタにするほど酷くもなく、鼻にかけられるほどに良くもない。受験生の頃にいわれていたテストは8割が最低ラインの伝でいけば、むしろおちこぼれ寄りである。いずれ、こうして日々漫然と文章を書き散らしていても、日本語力は身につかないようだ。

だいたい、ぼくはズボラな性格だから、分からない言葉やあやふやな知識をキッチリ確認するということをあまりしない。時折メモしたり、本に付箋を貼ったりすることはあるけれど、大抵は放置されたまま忘れ去られている。これでは進歩がない。

それだけじゃない。瞬間的な知的好奇心は比較的ある方なのだけれど、どうにもこうにも持続性がない。だから、たとえ調べてもすぐに忘れてしまう。最近ではインターネットという実にコンビニエンスな百科事典があるものだから、お手軽すぎて余計に知識が身につかない。

だらしのない話だ。

そもそもぼくは日本語が結構好きだ。自分ではそのつもりである。きれいな日本語を読めば好い気分になるし、粗雑なばかりで味のない文章はつい斜め読みで済ませてしまう。杓子定規に正誤を規定するのは好きじゃないけれど、あまりにいい加減なのも好きになれない。

日本語は表意文字を持つ言葉だから、表現に独特の幅がある。単純にお上の決定に従って正誤をつけるだけでは済まされない、豊かな多様性を秘めている。そこがこの国の言葉の面白いところだろう。造語や当て字だってセンスさえあれば十分に通用する。

傑作当て字としてよく挙がる例といえば「型録」「歌留多」「倶楽部」なんかがある。これらは外来語ながら、音だけでなく字義までが完璧にマッチしている。誰が考えたのかは知らないけれど、類稀なセンスの持ち主に違いない。一度はチャレンジしてみたい境地である。

また、ワードプロセッサの普及で失われたもののひとつに、小説における表現の多様性というのがあるように思う。わざわざ変換されない漢字を辞書登録してまで使う作家は少ない。字面への気遣いを感じさせる最近の人気作家といえば、かの京極夏彦くらいだろうか。

字面のオリジナリティというのは案外に印象に残る。

例えば、手近にあった山本周五郎『青べか物語』を適当に開いてみると、「硬(こわ)ばった」「天床(てんじょう)」「羞(はにか)んだ」「土堤(どて)」といった表現が散見される。これを国語のテストで書いたら恐らくバツをつけれられるだろう。

けれども、ちゃんと意味が伝わる表現だし、これを間違いだといい張るのは明らかに不当である。これらは大いに意図的な表現だからである。何しろ他所での漢字の使い分けなんかも実に的を射ている。たとえば「躰毛」「躯(実際には身+區)つき」といった具合である。

画一的な国語教育やワープロ、パソコンの普及は、こうした日本語の柔軟な味わいをずいぶんと枯らしてしまったように思う。先刻の「躯」のごとく、満足に入力できない漢字も多い。「体」一字で済むじゃないかというのは、あまりに無粋な意見である。

なんだかテストとはかけ離れた話になってしまったけれど、いいたかったことはこうだ。まずは基礎知識を身に付けること。これが前提。そして、誰かが決めた「正解」に縛られないこと。このふたつを意識しつつ、愉しく日本語と付き合っていきたい。

自分の無知を確認して、こんなことを思った。

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