iPodは未知への扉

iPod音楽を人に薦めるというのは難しい。

普通は相手の好みを知らないと、そもそもどうにもならない。ところが、これまで聞いてこなかったジャンルの音楽に興味を持つということはある。HIPHOPでお勧めは?だとか、CLASSICでとりあえず聴くなら何?だとか、初心者がまず買うJAZZの名盤は?といった具合である。

本当はある程度まとまった量を聴くのがベストなんだろうけれど、時間的、経済的な制約というのも無視できない。それに、たまたま好みじゃない音盤にばかり当たる可能性も否定できない。こうなると、ジャンル自体に否定的になってしまうだろう。

この場合、ある程度ジャンル横断的なガイドラインを提示してもらえるととても有り難い。ジャンルというのはある程度幅のあるものだし、大きなカテゴリになればなるほど、その選択は難しくなる。その意味で、JAZZを聴き始めたぼくの環境は恵まれている。

何しろIrish Cafeという南船場にある珈琲店のマスターが、色々とCDを貸してくれる。それにプラスして、本やインターネットで得た情報から気になって買ったCDも加えれば、入門としてはかなり幅の広いラインナップでJAZZを聴いていることになると思う。

もちろん、生涯の1曲との劇的な出会いというのはあるだろう。それこそレコードが擦り切れるほど聴いたなんて思い出は、人も羨む幸福なミュージックライフの1ページである。残念ながら、ぼくにはレコードに針を落とすという儀式的な音楽体験はなきに等しい。

ただ、人を巻き込むという観点からいえば、こうした極めて個人的な思い入れだけではあたりハズレが大きい。嗜好が合う人とはもの凄く解り合えるかもしれない。けれども、ぼくの数少ない経験からいえば、そんな確率は恐ろしく低いように思う。

だから、あるジャンルについて人にお薦めのアルバムを聞かれたときは、自分の好みにプラスしてインターネットで世評を調べることにしている。ある程度系統立った情報があれば、それも参考にしながらできる限り多彩なラインナップを提示するようにしている。

相手は漠として選ぶのに困るかもしれないけれど、とりあえず流して適当に聴くようにいっておく。FMをBGMにしていると時折気になる曲が見つかるように、まとめてプレイリストにして聴いていればだんだん好みも見えてくる。iPodはこういうときとても有効だ。

如実に時代の恩恵を受けたリコメンデイション手法である。

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