ボクノタメニ泣イテクレOut of the mouth comes evil.

自ら歩む道の延長線上に未来はある。まず、その自信が「ヤバい」。

・404 Blog Not Found:「パソコンってやばそうだよね」がやばい唯一の理由
・Dan Kogai氏がやばいと思うただ二つの理由 - Keep Crazy;shi3zの日記
・404 Blog Not Found:ケータイとネットブックがそれでもヤバい理由

これらの議論そのものに興味は、あまり、ない。議論になっているとも思えない。道具には向き不向きがある。作りたいものが作れる道具を選べばいい。それだけの話である。ケータイサイトはケータイだけで作れるというshi3z氏に対してdankogai氏はいう。「では、『魔法のiらんど』はどこで動いているのか。ケータイの中ではない。あなたも私も知らない、ドコモのサイトのどこかである。」…不毛な反駁である。レイヤーを遡る行為に終わりはない。では、「dankogai氏」はどこで動いているのか。パソコンの中ではない。dankogai氏を動かせないパソコンは相当「ヤバい」。

dankogai氏やshi3z氏の生み出した成果を利用する人にとって、彼らは生産者のひとりにすぎない。パソコンを組み立てるためのネジを作る人と同じである。商売でモノを作るというのはそういうことだ。彼らの「作る」は「IT技術で作る」ことであり「それで儲ける」ことである。相当に限定的な話だと思っていい。カレー専門店の店主がパソコンでモノを作る必要はないし、気鋭のプロダクトデザイナーがケータイを使いこなす必要もない。IT技術に精通していないとうまく生きられないわけではなし、精通してもうまく生きられるとは限らない。議論はいくらでも斜め上に行ける。

ここ数年でパソコンやケータイが一般市場から消えるとは思わない。その意味でdankogai氏やshi3z氏の「商売人としての発言」には価値があるかもしれない。が、「パソコンでモノを作ること」が「工作機械でネジを作ること」よりもこの先有望であるという保証はない。パソコンでモノを作らない人を「ヤバい」とか、ケータイやNetbookでモノを作れないと思っている人を「ヤバい」とかいえる感性も相当に「ヤバい」とぼくは思う。「プログラマーなのに最適な道具でモノを作らない人はプロとしてヤバい」というなら分かる。それは「職業人として」の能力の問題だからである。

パソコンでモノを作らない人が「ヤバい」というのと同じ理屈で、IT技術でしかモノを作らない人は「ヤバい」と指摘することは難しくない。が、意味もない。明日すべてのプログラミング技術が陳腐化し、IT業界が没落してもぼくはさして困らない。それはぼくが「パソコンでモノを作らなきゃヤバい」とは思わないし、ケータイやNetbookでサービスを作ることにもさしたる意味を見出していないからだ。便利なものは利用するし、お金が必要なら支払う。搾取されないためにそれらを自作しようとは思わない。dankogai氏などから見れば搾取されるばかりの「ヤバい」人生だろう。

ぼくは、ぼく自身の何物をも搾取されているつもりはないのだけれど。