Safari 3 パブリックベータ(英語版)リリース

AppleがついにWindows版Safariを作ってしまった。

次期MacOSX(Leopard)に標準搭載されるSafari3のパブリックベータ(英語版)が公開された。10月にはTiger版に加えWindows版の無償ダウンロードを開始する予定らしい。Web制作に関わる人間としては、もう勘弁してくれというのが正直な感想なのだけれど、一ユーザーとしては興味津々だったりもする。なにしろApple初のWindows版ブラウザである。

ぼくは仕事柄、WindowsもMacも同じくらい使っている。お陰でデスクが狭くて仕方がない。だから、特にWindows派だとかMac派だとか意識することはない。家ではWindowsユーザーだけれど、これは単にMacが高価なせいである。懐に余裕があるならMacを常用することに抵抗はない。同じようにWindowsに対する差別意識もまったくない。

ただ、ビジュアルデザインの点で、WindowsはMacに遠く及ばない。XPの賑やかしいもったりとしたデザインに比べると、OSXのそれはいかにも洗練されたシンプルさが際立っている。後追いのようなVistaのインターフェイスも分かりやすさとは無縁だし、総じてMacOSの方が直感的操作性には優れているように思う。何より見た目に美しい。

Safariのインターフェイスデザインもしかりである。最小限にまで削ぎ落とされたシンプルなデザインの中で一般的な機能をほぼ網羅している。それでいて、アドレスバーがそのままプログレスバーの役を果たしているなどギミックもよくできている。ブックマークやRSSの管理もよく考えられていて、とてもユーザーフレンドリーだ。

ライトユーザーには結構使いやすいブラウザだと思う。

しかも、3はオープンソースの雄Firefoxよりも軽快に動くという。これはとても重要だ。日常的に使うものほど、些細なレスポンスの悪さが気になるものである。たとえば、いまだ標準的なCSSの実装に遅れをとっているInternetExplorer7など、描画の遅さ、不正確さにストレスを感じる場面が少なくない。だから、ぼくはほとんど使っていない。

Safariのバージョンが1.xだった頃は、Javascriptの実装が相当に怪しかったり、CSSの実装に癖があったりと信用ならないイメージが強かったのだけれど、現状のカレントバージョンでは、かなり落ち着いてきた感がある。Windows版ということで、Mac版ほどの信頼性を期待して良いものかどうかは不明だけれど、不安要素は少ないに越したことはない。

見た目の方も、ゆったりとしたテキスト表示に最初は違和感があったものの、慣れればこちらの方が読みやすいくらいだ。やっぱりフォント周辺の技にはAppleに一日の長がある。デザイン業界の制作環境を独占してきた実力は伊達じゃない。フォント環境の異なるWindowsで、どこまでテキスト表現をコントロールできるのか。愉しみなところである。

とりあえず、英語版のパブリックベータは、メニュー周りが英語なだけじゃなく、どうやら日本語サイトがほとんどまともに表示できないというから、今ところインストールしても意味はない。10月に正式版がリリースされるのを、首を長くして待つことにしよう。…といっても、ぼくがメインブラウザを変える可能性はかなり低い。

ぼくは今Firefoxをメインで使っている。InternetExplorerはGyaoやYahoo!動画など、それでしか見られないサイトを見るときくらいしか立ち上げない。MacでもメインはFirefoxで、Safariはほとんど動作チェック用である。というのも、Firefoxには便利な拡張機能が充実しているためである。こればかりは他のどのブラウザにもない強味だ。

その利便性を越えない限り、メインブラウザの乗り換えは考え難い。


【関連リンク】
アップル、Windows版のSafariを発表

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