質の高い文章を書くための正攻法

STEP 01:ゴールを設定する

人は漠然としたゴールに向けて走ることはできない。まず、自分が目指す「質の高い文章」とは何かを定義する必要がある。それもできるだけ明確に。ここを飛ばしてはどうにもならない。「アルファブロガーの○○さんのような文章」でも「5歳の我が子が愉しんで読める文章」でも「オタク仲間に超ウケる文章」でも「大好きな○○さんを虜にする文章」でも「リーダビリティよりもオリジナリティの高い文章」でも「ケータイ小説並みに読みやすくて中島敦並みに格調高い文章」でも「とにかく自分が読んで気持ちの良い文章」でも何でもいい。目指す「質」を決めるのは自分だ。


STEP 02:理想をイメージしながら書く

ゴールが決まったなら、その目標に合った文章を脳内にイメージする。目標が「東野圭吾の最新作みたいな文章」くらい具体的なら話は簡単だ。真似ればいい。好きな作家に文体が似るというのはよくある話でもある。漫然と書いた文章は大抵理想からかけ離れていく。北方謙三ばりにそぎ落とされたストイックな文章を書くつもりが、ダラダラと無駄の多い文章に仕上がったりする。もちろん、推敲以前の文章は勢いで書いていい。けれども、イメージを忘れて勢いだけで書くと後が辛い。推敲にも限界はある。下手をすると一から書き直した方が早いなんてことになりかねない。


STEP 03:理想をイメージしながら推敲する

いくら脳内イメージに従って書いたとしても、それ即ち完成といえるケースは稀だ。皆無といってもいい。理想をイメージしながら書いた後は、理想をイメージしながら読む。ただ漫然と読み返すのでも、目を皿にして文字校正するのでもない。理想のイメージからかけ離れた要素はないか、5歳の我が子は愉しめるか、オタク仲間は喜ぶか、愛しのあの人は落とせるか…本当の意味で「自己満足」できる文章かどうかを吟味する。文章に限らず、創作に類するものには正解も終わりもない。未だ見ぬ理想があるだけである。もう直す場所がないと思えるまで推敲できれば上等だろう。


STEP 04:なんとかしてフィードバックを受ける

自分だけに向けて書いているという人は、STEP 03でこの工程を終えているかもしれない。けれども、多くの場合は、自分以外の読者を想定していると思う。アルファブロガーの○○さんが目標なら、その読者に自分の文章を読んでもらう。5歳の我が子に読ませ、オタク仲間に読ませ、惚れたあの娘に読ませる。そして、なんとか反応を引き出す。或いは、反応を読み取る。読まされたあの娘が変質者でも見るようにジリジリと後ずさったなら、それは失敗である。フィードバックを元に問題点を洗い出す。想定した理想自体が間違っていたのか、技量や推敲が足りなかっただけなのか。


STEP 05:反省しつつSTEP 02に戻る

最初から理想を実現できる人はそういない。問題点が見えたなら、それを生かして次へ行く。同じ文章を弄ってばかりいても、土台が同じではダメなこともある。第一、飽きる。新しい文章にチャレンジする方が愉しい。そうやってぐるぐるぐるぐるとSTEP 02から05を繰り返し、たまには01を見直してみる。そうやって自己満足度をあげていく。あくまでも最後は自己満足度が大切だ。アルファブロガーに並ぶことが、5歳の我が子を喜ばせることが、オタク仲間を愉しませることが、あの娘の心を手に入れることが、結局のところ自己を満足させてくれるはずだ。これぞ、自分品質。

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…などと自分にいい聞かせつつ、「尤もらしい文章」を目指してしまうぼくは最低といえる。

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