お金を知るための第一歩

ぼくの今年の裏目標は「マネーについて知る」である。

何しろぼくはお金についてあまりにも無知だ。無知であればあるほど学び甲斐がある。知らないことを知るのは結構な快楽でもある。お金ほど身近で、かつ興味深い対象はない。今までそれに気付かなかったとは、ぼくも相当にボンクラだ。動機はつまり好奇心である。まずは、話題の勝間本を読むことから始めてみた。それも『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』という超定番商品である。読後、さほど金融リテラシーが身に付いた気はしなかった。当然だ。この本にも、実際やって身に付けろと書いてある。だから、やってみることにした。

といっても、やったことといえばネット証券2社に口座を作り、預金の一部を移し、勝間氏の仰るとおりノーロードでインデックスな投信に突っ込んでみただけのことである。これはもう、本のいいなりだから実に簡単である。最悪全額スっても誰に迷惑のかかる金じゃなし、預金が底を突くような無茶もしていない。要するに遊びの事始めである。ところが、たとえ小額でも実際に自分のお金を動かしてみると、目隠しの手探りでは気が済まなくなってくる。自然、金融関連の情報が目につくようになってきた。今のところ、よく分からないことの方が多い。

こうして無知な自腹実験を始めた途端、なんだか世界経済が面白いことになってきた。サブプライム問題をきっかけに、米国のみならず国内株までボロボロ下がりはじめる始末。分散投資もインデックスも関係ない。勝間本が教える正攻法の通り、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4本立てでリスク分散を図るも、現状でマイナスに振れなかったのは唯一国内債権のみ。他は、ぐんぐん評価額を下げている。といっても、そもそもの元本がしみったれているから、マイナスもまったくスケールの小さな話でしかない。むしろここが遊びどころである。

ぼくは今のところ、証券口座のお金は勉強と遊びのための出費だと思っている。いわば実践マネー学校に趣味で入学したようなものだ。口座のお金は学費である。つまり、投資だとはあまり考えていない。評価額が下がってみて、初めて自分でそのことに気が付いた。それにぼくはデイトレードを始めたわけではない。つまり、買った投信を売る気はないのである。少なくとも数年単位でしか動かすつもりはない。だから、多少下がろうが何しようが、ぼくはただそれを観察し、更なる学習と実験のために買い足したり他商品を物色したりして楽しむだけだ。

もちろん、結果として今支払っている「学費」が何らかの形で「リターン」となって戻ってくれば、それはそれでハッピーである。まさしく「投資」したことになろう。けれども、逆に元本がフイになったところで精神的にも物質的にも痛手にはならない。例えばお金を出して本を買う。その場合のリターンは、その本の中身が自分に与える知識や感動といった無形の財産である。今のぼくにとっての金融商品はよき教材であり、同時に遊具でもある。一石二鳥だからコストパフォーマンスは高い。額面は少し大きいけれど、底が見えない分、面白さも大きい。

こんな波乱の季節に「入学」できたぼくは幸運だ。投信に近しいところで、ちょっと海外ETFに興味をそそられたりすると、ついでに為替や金利の勉強が一緒にくっついてくる。うわぁ、複雑だけどなんか面白ぇ…なんて思っている内に、米ドルがどんどん暴落していく。相対的に円高が進んいるわけだけれども、こうなると堅いユーロなんかよりも俄然米ドルが面白くなってくる。このまま100円を割るようなことでもあれば、試しに買ってみるかなんて思ったりもする。最初から難しく考えても仕方がない。やってみてダメならダメだった原因から学べばいい。

所詮は趣味なのだし将来実用になれば万々歳…今はそれで十分だと思っている。

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