“奈良”初心者による市内まったり散策写真
それほど遠くもないのに、奈良のことをほとんど知らない。
京都や神戸には折を見て足をのばすのに、奈良にはなぜかほとんど行ったことがない。たまには行ってみるか、ということになった。梅雨の止み間でシーズンをはずしていたせいか、それほど観光客も多くなく、実に快適な散策になった。シーズンオフの散策地としてはかなりの穴場なんじゃないかと、いまさら見直すことしきり。奈良公園やならまち界隈だけでも、みどころは多い。京都ほど土地勘もないので、観光ルートから大きくははずれなかったけれど、国宝や重要文化財といった観光資源を中心には据えず、あくまでも散策の体である。
例によってカメラをぶらさげて、半日、気ままに歩き回ってきた。
近鉄奈良駅からスタート。鹿の飛び出し注意…うん、奈良に来たって感じがする。
昼時に着いたため、まずは釜めしが美味いと噂の「志津香」へ。行列必至。
待ちに待った大和肉鶏釜めし。うん、待った甲斐はあった。美味い。
南円堂北脇の「一言観音」は文字通りひと言だけ願いを叶えてくれる、とか。
南脇には百度石。ひと言ですまない人はこっち、ってことなのかね。
有名な「塔の茶屋」の斜め向かいの「柳茶屋」。ここもなかなかお高いらしい。
この日会った鹿の中で、いちばんこの子が可愛かった。
とにかく可愛かった。
たまらなく可愛かった(しつこい)。
東大寺南大門を潜る。デカすぎる。こんなのどうやって組んだんだ。
南大門のすぐ先にある本坊。この中にも国宝の経庫が。見てないけど。
東大寺境内にあって、ひと際異彩を放つ「アショカピラー」。
法華堂の南に何気なく建ってるこれも重要文化財の「法華堂経庫」。
好い按排に苔むした春日大社の狛犬。そのうち森と同化しそう。
さすが春日大社の手水舎。龍じゃなくて鹿から水が出てる。
春日大社はとにかく石燈籠の数がものすごい。
まだまだあるよ。
何の変哲もない石燈籠でもこれだけ大量にあるとなにやら威圧感が…。
ベンチ好きとしては見逃せない逸品。
春日大社から高畑の方へ繋がる下の禰宜道。通称「ささやきの小径」。
曇天の雲間からさっと陽光が降り注ぐ。つかの間、森が輝いて見えた。
そして、志賀直哉旧居。個人的にはかなりの穴場だった。
志賀直哉の生涯転居回数、なんと28回。ここには9年住んだらしい。
この書斎で書き上げられた代表作は『暗夜行路』。その翌年、鎌倉に転居。
これだけの邸宅を自ら設計したというから、ある種相当の数寄者だったんだろうな。
本格的な茶室や洋風ダイニングも洒落てるけど、こんなサンルームまであるとは。
ならまち界隈へ足をのばす。ここは手作り作家が集まる「ならまち工房II」。
伝統的な町屋を再現した「ならまち格子の家」…もう閉まってた。
赤膚焼の燈火器が有名らしい陶芸家、武田高明の「寧屋工房」。
ずらり並んだ蚊帳のれん。ここ吉田蚊帳のギャラリー舎で、ならまちふきん購入。
漢方薬店「本家 きくをか」。ならまち界隈は薬屋も多い。
古い町並みといえばリノベーション。洒落た店がそこここに点在している。
陽も暮れかかってきたので、ぼちぼちこの日最後の一服。
残りひとつのケーキを注文。クリームに描かれた鹿が可愛い。しかも美味い。
暮れなずむ中、近鉄奈良駅に到着。
といったところで、この日の散策は終了。この日いちばん心に残ったのは、なんといっても「ささやきの小径」だ。とても静かで美しい山道に、ぼくと相方の他には誰もいないという贅沢さ。日がな曇天の空に突如雲間から射した陽の光は劇的で、木漏れ日の美しさはちょっとした感動だった。運も良かったんだろう。志賀直哉旧居の見学も貸切状態。相当に趣味のいい和洋中折衷の邸宅で、ここも見どころいっぱい。思いのほか長居をしてしまったせいで、そのあとのならまち散策がずいぶんと押してしまった。まあ、また来ればいいものと思い定めて、見たいものを存分に見て回った。総じて京都や神戸に比べると、週末でも人出はずいぶんとおとなしい。また近く散策に出向こうと思う。
にしても、これまで見落とし続けてきたとは、なんたる不覚。奈良、いいわ。
posted in 13.06.24 Mon
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