永遠の異端アイドル中川翔子

中川翔子ブログ写真今更ながら中川翔子というアイドルは異端だ。

ぼくが彼女を知ったのはちょうど2年ほど前のことである。その頃の彼女はまだまだメジャーとは縁遠い存在だった。きっかけは当時たまに読んでいたネタ系サイト“バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳”である。その平成17年1月28日のネタが中川翔子だったのである。

これを読んだときは、それこそ脳内で抱腹絶倒、笑い転げたわけだけれども、まさかオタク系キャラのままブレイクを果たすとは予想だにしなかった。何しろ、ゲームだアニメだ特撮だと、単なるキャラ作りでは済まされない、あまりにディープな嗜好全開なのである。

確かに当時まだ独自ドメインもなかった彼女のブログは、すでに芸の域に達していた。VIPPER系の2ch風表記は確立していなかったものの、明らかに従来のアイドルの枠をはみ出しまくった文章や写真は、ひとたび知ってしまうと目が離せなくなること必至である。

ただしそれは、そのネタ自体を楽しめる人に限って、である。

少なくとも当時のぼくは、そう思っていた。だから、結構頻繁にアクセスしていたにも関わらず、あまり人には話さなかった。何しろ当時、アイドルブログといえばそれ即ち眞鍋かをりであり、決してしょこたんがね、などといい出せる世の中ではなかったのである。

ところが、この異端のアイドルブログが、徐々に世間一般の人の心に引火し始める。いや、一般人が「奇妙な面白いもの」に対して、加速度的に寛容になってきたのだろう。しかも、いわゆるオタク的感受性の持ち主が、世間には決して少なくないらしいのである。

まず世のオタクたちに熱烈に支持された後、ぼくが存在を知ったその年の内に、彼女の特異なキャラは徐々にマスでも紹介され始める。そして、亡き父を巡るエピソードが明かされた24時間テレビ出演によって、メジャーへの階段を怒涛の勢いで駆け上がることになる。

かくしてぼくの予想を華麗に裏切り、“しょこたん☆ぶろぐ”は至極真っ当な眞鍋嬢のそれを軽々と乗り越え、広く人口に膾炙し、それ自体の書籍化2冊目も!)はもちろん、愛猫マミタスの写真集『ギザ☆マミタス!!』なんてものまでが出版されるに到る。

こうして、人気とともに仕事量は増大の一途を辿り、その影響は原点であるブログにも影響を及ぼし始めている。何かの引用や画像など、権利関係に敏感になったのもその一面かもしれない。それよりも何よりも、以前のような異常な更新頻度を保つことはもうできないだろう。

それでも日に両手程度のエントリーはコンスタントに上げている。それだけでも大したものだと思う。幾多の泡沫アイドルたちがいくら真似ようとしてもできないあのブログこそが、しょこたんことタレント中川翔子の魅力の源泉であることは間違いない。

たとえばバラエティ番組に出る。ちょっと変な子として面白おかしく扱われることはあっても、まだまだガッツリ四ツに組んではもらない。その未熟でたどたどしい姿を肯定的に見てもらえるのは、ブログを入り口にして彼女の面白さを知っているファンが多いお陰だろう。

ブログのお陰で仕事が忙しくなる。仕事が忙しくなるとブログが辛くなる。ブログがただのプロモーション手段でしかないタレントだったなら、疾うにやめていてもおかしくない。あるいは、内容が徐々に真っ当なアイドルらしいものに変わっていたかもしれない。

いまだそうならないところに、彼女の本気を感じてしまう。

しょこたんカワユス…。

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comment - コメント

こんばんわ☆
お引越し、了解しましていきなりやってきました♪

今後ともよかったらよろしくお願いします。

私は中川翔子さんは確か深夜の番組かなにかで知りました。
”楳図かずお”さんが大好きで尊敬してると、そして同じようにホラー漫画を描いてると絵を紹介してました。
想像以上に上手で、しゃべり方もしっかりしていて、なかなかいい子だな^^と思ったのを覚えています。

ではまたまた遊びに来ます!!

しおりさん、早速のお越しありがとうございます!
こちらこそぜひにヨロシクです。

中川翔子って子は、何年か周期で現れる不思議ちゃんとは確実に一線を画すガチのオタク系アイドルというのが凄いですね。楳図御大やブルース・リーなんかは神だとあちこちで公言してますし。
楳図かずお風やら、つのだジロー風の絵をごりごりと描きまくるアイドルというのもインパクトありすぎですよね。

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